牛乳販売店様と初めて出合った(仕事として)のは、平成4年の事でした。当時私が勤務していた会社は、通産省(当時)の認可を受けた電算処理センターとして、様々な代金回収処理代行業務を行っていました。その一環として牛乳販売店様の、牛乳代金口座引落業務の代行も行っていた関係で、営業マンだった私は富山県内の多数の牛乳販売店様に出入りするようになっていきました。
その頃はまだ牛乳屋さんと言えば、いわゆる家業的な形が一般的であり、今日のような企業としての体裁は整っていなかったと思います。当時の牛乳屋さんの請求書といえば、カレンダーが印字された用紙の、最初の本数記入欄に数字の1を書き込み、あとは横線を引くだけの単純なものでした。例え配達パターンが2-2-3であっても、毎日1本飲む!という概念からだったのだろうと思います。
平成6年、ある牛乳販売店様(以後Oさんとします)から、コンピュータで請求書を書きたいから相談にのってくれ!と依頼をされました。コンピュータ会社に勤務していながら、そして多数の牛乳屋さんとお付き合いしていながら、私は牛乳屋さんのOA化にとんと無頓着だったと思います。早速Oさんから色々と業務内容について教えて頂き、きめの細かな管理が必要であることを強く感じたのを覚えています。
Oさんからヒアリングした内容を自分なりにまとめあげ、システム開発部へ見積依頼書を提出しました。内容としては、今日の牛乳宅配管理システムとは違い、単純にシンプルに顧客毎のパターンに沿って1か月分の請求書を一括生成し、請求書を発行するだけのものでした。Oさんから聞いていた大体の予算は50万円位だったと思いますが、後日システム開発部の出してきた予算書によると、社内開発原価が約500万円。更に利益を考えると販売価格はそれ以上のものとなり、Oさんの予算とはかけ離れた数字になってしまったのです。
以下続く・・